2024年3月27日(水曜)、第31回カジュアルコンサートが高槻城公園芸術文化劇場南館トリシマホールにて開催されました。昨年は吹田メイシアターでの開催であったため、今回は2年ぶりに高槻での開催となりました。
コンサート当日は、前日まで降り続いた雨もあがり、朝から日が差す暖かい一日となりました。
現役生たちは8:30に学校に集合、当日の流れを確認して、トラックへの楽器積み込み作業に移ります。積み込みが終わると、次々と徒歩で会場へと出発しました。
会場のトリシマホールは、旧大ホールのすぐ南側に2023年春に完成した新ホールです。吹奏楽部は昨年6月のそよかぜコンサートでの演奏実績はありますが、カジュコンでの使用は今回が初めてです。
トラックが会場に到着すると、楽器荷物の搬入を行い、手が空いた人から11時の音出しに備えます。ただ、例年なら午後のリハーサル中に同窓生が行うパンフレットへのチラシ挟み込み作業を、今年は昼食前に中2・中1が行いました。
今回からカジュコンの会場となるトリシマホールですが、セキュリティが非常にしっかりした作りになっていました。そのため、以前なら三々五々会場にやって来たOBが、楽屋で差し入れを頬張りながら現役生と談笑…などの光景が見られたのが、そのセキュリティの関係で、17:30の開場までは出入りが困難な状況になりました。
また今回は、幕間の舞台転換もほぼ全て現役生で行いました。
よって今回同窓生がサポートしたのは、ステマネのIさん、司会のCさん、我々同窓会役員のメンバー5名(受付&影アナ)の他は、予め手伝いを依頼された若手同窓生3名の計10名のみでした。中2・中1がチラシの挟み込みを行ったのもそのためです。
そんなわけで舞台裏も例年とは少し様子が変わりましたが、大きな混乱はなく、各自持ち場の仕事を粛々とこなし、現役生のリハーサル・本番のサポートをさせて頂きました。
さて現役生ですが、11:00からはⅡ部の粗通し、昼食を挟んで13:30からⅡ→Ⅲ→Ⅰ部の順にリハーサル。そしてほぼ予定の16:30にはリハーサルが終了し、楽屋で軽食のサンドイッチを食べて本番に備えます。
一方入口では、16:20頃には一番乗りのお客様が並び、開場直前には建物外までの行列となっていました。17:30に開場すると続々とお客様が客席に吸い込まれていきます。懐かしいOBOGも大勢駆け付けてくれました。同時に、出演者には花束など多くの差し入れも頂戴しました。本当にありがとうございます。
そして定刻の18時、第31回カジュアルコンサートが幕を開けました。
Ⅰ部は吹奏楽のオリジナル曲、
《コンサートマーチ「テイク・オフ」》
《ディスコ・キッド》
《オリエント急行》
の3曲です。
1曲目2曲目は吹奏楽コンクールの懐かしい課題曲です。3曲目のオリエント急行は個人的にも好きなP.スパークの名曲です。トレインホイッスルや旅情たっぷりの中間部が、会場をオリエント急行の旅の世界に誘います。最後は列車が華々しく"ヴェネツィアに到着"してⅠ部は終了しました。
なお、Ⅰ部の指揮は全て現役部員が担当、司会は同窓生のCさんと現役生がペアで務めました。
Ⅱ部は、昨年までと様変わりし、ミュージカルスタイルで《アナと雪の女王》を披露しました。
アナやエルサなどお馴染みのキャラクターに扮した現役生たちが、物語の世界を体いっぱい使って表現し、バックの吹奏楽も、曲(Let it go他)の演奏だけでなくコーラスパートもこなして、劇を雰囲気作ります。
また時折ある"効果音"を生演奏で表現するのは、もはやカジュコンの定番。お笑い要素もきっちりと(?)差し込まれ、劇にアクセントをもたらします。
最後はミュージカルらしく、演者が次々と登場し、カーテンコール風に横一列に並んでお客様にご挨拶し、拍手の中、Ⅱ部が終了しました。
そしてⅢ部。
1曲目は《金管五重奏曲第1番 第3楽章(エワルド)》。高校2年生を中心とした5人が、昨年末の大阪府アンサンブルコンテストで演奏した曲を披露しました。
2曲目は今回の目玉、本校吹奏楽部OBのプロトランペット奏者、井葉野晃暢さんによる、《トランペット協奏曲(アルチュニアン)》です。
井葉野さんは現在、名古屋フィルハーモニー交響楽団の首席トランペット奏者です。細かい技術や伸びやかな美しい音色、圧倒的な迫力等々、どれをとっても流石はプロの演奏!と感嘆させられました。プロの技術や息遣いを間近で見られた事は、現役生にとっても非常に良い経験になったことと思います。
3曲目《「シンフォニア・タプカーラ」第3楽章》の演奏後に、引退する高校2年生に花束が贈られました。胸に挿すカーネーションは、今年は学年のカラーでもある黄色です。プレゼンターは今年も下級生が務めました。
花束贈呈の際、部長が一年間を振り返り挨拶を行いました。顧問の下村先生とのエピソードを絡めたユーモアたっぷりの挨拶からは、先生に対する感謝の気持ちが溢れる程に伝わってきました。今年の高校2年生は、前例にとらわれず文化祭や今回のカジュコンなどで色々と新しい事に挑戦してきました。途中コロナで思うように活動できない時期もありましたが、最後までよく頑張ったと思います。
メインの《GRより「明日への希望」》が終わると盛大な拍手が会場に響きわたりました。拍手が鳴り止まない中、最後はアンコールで恒例の《U.S.マーチ》を演奏、客演の井葉野さんも一緒に演奏し、演奏会は無事に幕を下ろしました。
終演後は、高校2年生がエントランス付近にてお客様のお見送りです。ご家族や友人、懐かしい先輩からの労いの言葉に張りつめた気持ちが一気に解れます。贈られた花束などを両手いっぱいに抱えながら記念撮影する光景が、今年もあちこちで見られました。目には涙を浮かべながらもみんな最高の笑顔です!
また今回は終演後、年始に発生した能登半島地震への支援募金を行いました。カジュコンでは、古くは阪神淡路大震災や東日本大震災の折りにも募金活動を行なっています。
お客様にはお帰りの際、募金箱にお立ち寄りいただき、ご協力を頂きました。今回お預かりした沢山の善意を、被災地にしっかりとお届けしたいと思います。
会場撤収後は、現役生は学校に戻り楽器の片付けを、同窓生は高槻市駅近くの居酒屋で、客演の井葉野さんを囲んでの打ち上げを行いました。打ち上げはほぼ当日の声掛けで、かつ21時半スタートであったため、人数が集まるか心配でしたが、下村先生はじめ20名弱のOBが駆け付けてくれました。
メンバーは上から下まで25学年以上の差がありましたが、そこは同じ釜の飯を食べた者たち、部活の話になると武部先生(←今回は体調不良で欠席)の話やジェネレーションギャップの話題などで盛り上がり、日が変わる直前まで宴会は続きました。
翌28日には卒部式が行われて令和5年度の活動が終了、4月からは新年度の活動が既に始まっています。
開演前の準備の際、入口付近ホワイエで年配のお客様とお話しする機会がありました。聞くと、遠く関東や九州からお越しとの事で、「コロナでずっと来られなかったが、孫の演奏する姿をやっと観に来ることができて本当に嬉しい」と仰っていました。
こういったお気持ちにお応えできるのも毎年カジュコンを開催してこれたからこそ。
30年前、カジュコンが始まった時は、定期的に開催できるか分からないからと「定期演奏会」とは謳いませんでした。それから30年、現役生の皆さんの頑張りと先生方や関係者の皆様のご尽力により、カジュコンは毎年開催の吹奏楽部のメインイベントとしてすっかり定着し、現在に至っています。
カジュコンだけでなく、現役生たちは年間を通じて様々な演奏活動を行っています。それが人と人を繋ぐ役割を果たしているとしたら、こんなに素晴らしいことはありません。
そんな現役生の活動のサポートを、我々同窓会はこれからも行なっていきたいと思います。
【文責】
中村大介
(1994年卒業46期・吹奏楽部5期)
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